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2005.09.29

【響鬼】仮面ライダーに"なる"という事

「たとえ神も仏もいなかったとしても…仮面ライダーはいる‥‥ってな」
そう信じさせれる作品にしてくれ。御願いだ。

前回のXライダーがらみの感想について言及して下さった方が何人かいらっしゃり、ちょっとびっくりであった。
せっかくなのでもう少し長文だが語らせて頂きたい。

自分は安易に「昔は良かった」的な考えは持ちたくないし、いたずらに「今のはダメだ」とも言いたくはない。
もう一度明言するならXライダーはリアルタイムでは視聴していなかった。
(あまりの怪獣キチ○イぶりにウルトラマンA後半以降は七時台のチャンネル権を剥奪されたのだ(^_^;))
リアルタイムで見てないのに偉そうに、と言われれば誠に面目次第もない。
が、三十年たって初見した「Xライダー必殺大特訓」の話にはあまりにもグッと来させる物があった。
だから、あの話題となったのだ。

当時ウルトラ等に比べポーズ一つで変身できるライダー達は「お手軽」と新聞等で叩かれた事もある。
作品を遠巻きに大まかにしか視ていなければそういう感想にもなるだろう。
だが、そんな中でも表現者として「何か」を伝えたい、そう思ったからこそ人の心を打つのだ。
本当にお手軽だったらここまで人気が持続しはしない。
「仮面ライダーは改造されたから仮面ライダー」ではないのだ!
「男は男に生まれるのではない、男に"なる"のだ」とは誰の言葉か忘れてしまったが、
その言葉を借りるなら
「改造されたから仮面ライダーではない、仮面ライダーに"なる"のだ」と。
迂闊な事に今の今までそれに気づかなかった自分は大バカ野郎だ。

いくら強くても誰でも良いような戦士、そんなのは仮面ライダーではない。
復讐の二文字を捨てる風見志郎、結城丈二、マサヒコという守るべき友を得たアマゾン、
最初は変身できない沖一也もそう。茂は最初からやる気満々だが(^_^;)
たった60分のストーリーの中でさえ「仮面ライダーの仲間入り」をするのは後半、のZX=村雨良については村枝賢一先生が素晴らしいリファインをしてらっしゃるのは周知の通りだ。
未読の方の為に説明するとTVSPをなぞるようにV3、ライダーマン、スーパー1と邂逅するZXだが「俺を仮面ライダーと呼ぶな」と拒絶。そのあと幾つかの残酷な事実が判明していき1号との共闘、ストロンガーとの対決を経た後、本郷猛がつぶやく「仮面ライダーとして生きればいい」と。
次のページの見開きから「仮面ライダーZX」の物語は最終章に突入する……!
村枝先生が如何にライダーを正しく理解していらっしゃるか?未読の方は必見!ちょっとそれたので戻す。
平成ライダーも実は"そこ"から始まっている。「クウガ」の1、2話である。
最初は成り行きで変身した物の(殴った時の感触を思い出し)「あの感覚は好きになれないから」という雄介。しかし、父を未確認に殺された少女実加の涙に心を抉られる。そして決意した雄介の
「こんな奴等の為に!誰かの涙は見たくない!みんなに笑顔で居てもらいたいから!
 だから!見てて下さい!オレのっ!へんしんっっ!」
名シーンだ。この時「一年ついていこう」そう心に決めた。
あの瞬間、雄介も仮面ライダーに"なった"のだ。
例え劇中では一度もその言葉が出なくても栄光と哀しみのその名を背負ったのだ。

で、アギト。確か「みんなの居場所を守りたい」とか言ってたような気がしたが、余りに序盤にそれもさしたる裏付けもなく出てきた台詞に、正直唐突感は否めなかった。アンノウンが出ると(脳内レーダー?が関知して)出前一丁的に参上、だが、まぁたまにはそれくらい分かり易いのも良いだろう。と思っていた、当時は。
さらに変化球の龍騎については、さすがにこの話題からは外して話すべきだろう。
555、これも良くわからない。「戦うのが定めならオレが背負ってやる」とか言ってた気もするが、人間普段が大事だ。たまにそんな事言われてもさぁ、タッくん。いつもの君の言動は…
で、とうとう仮面ライダーは"職業"になった。レーダーに反応が出た、それ行け!である。うーん?まぁいいや。

やっと肝心の響鬼に辿り着いた。
このお話し、"主役"は響鬼だが、"主人公"は明日夢である。初めてのケースだ。
だから、どんないきさつで響鬼が鬼になったのか?は今の所描かれていないし彼等が自慢げに語ってくれる訳でもない。
鬼の皆さんは職業というよりボランティア?らしいのだが、そこら辺はブレイドと似たり寄ったりかもしれない。
敵は妖怪だけにさして連携が取れてないという点では「カクレンジャー」前半?と言った雰囲気で、やる気満々の歴代敵組織には到底及ばない。(最近、ぼちぼちやる気を見せつつある、リストラ付きだが)
それだけに、戦いは延々とたらたらと続いてきたといった感じなのでせいぜい「今年はちょっとおかしいねぇ?」くらいのまったりムードだ。
そんな世界観の中で彼等は何をしてきたか?は正直見えにくかったかもしれず、まったりムードに対する批判は解らないでもない。
それは、"正しい大人"を生きてみせるという事だったのではないか?
微に入り細に渡って明日夢を甘やかす訳ではない。ただ、どうしようもなくなった時には、まだ未完成である少年に正しくコンパスの針を示してみせる。
(反面として轟鬼に対する響鬼の厳しさは大人に対するそれである)
彼等はそういう生き方を明日夢に見せてきたと思う。(すごーくまったり感が強いので解りにくい感は確かにあるが)
当然だが、明日夢は改造されていないしベルトもカードも持っていない。鬼になるという方向性すら(可能性は示唆されても)ある訳ではない。
幸か不幸か現実に仮面ライダーはいない。
だが、明日夢は"仮面ライダー"になるだろう。我々もなれるのかもしれない。
それは改造されるとかベルトやカードを持っているとか宿命を背負っているとか…ではない。

再び村枝先生の「SPIRITS」に話を戻す。北海道スカイライダー共闘編の話だ。
皆に持て余されていた不良高校生、村上千弘。だがバダンの出現、尖兵たるネオショッカーの跳梁のなか腕っ節の強い彼は逆に皆の信望を得た。
しかし、ゼネラルモンスターの変身したヤモリジンには敵うはずもなく逃げ出してしまう。
彼が出会った村雨良は千弘のバダンか?との問いに答える。「仮面ライダーだ」と。
摩周湖の敵要塞に向かう途中で千弘は「(皆に頼られるようになって)心の中で人や町があぁなっちまった事を喜んでたのかもしれない」と心中を吐露する。
そして、「勝ちめがねえからってよお、それでもあいつらを守る俺になるんだ、そのために戦えるんなら!!それが今度の…本当の俺だ!!」と誓う。
その言葉に動かされた良は要塞に突入し決戦前に遂に名乗りを上げる「仮面ライダーZX!!」
そして、千弘、ZX、スカイライダーの共闘でゼネラルモンスター、魔神提督の二大幹部を葬り去る事に成功する!
「どうよ、いい話だと思わないか?!」(By滝和也)
味付けは響鬼と一見似通わないように見えるが、示しているベクトルは間違いなく同じ方向の筈だ。
"正しい"仮面ライダーとはこういうモノではないのか?

ちょっと調子に乗って脱線すると
「Black」や「J」の上原正三の場合は若干スタンスが違う気もする。「日本人が主人公のドラマは書く気がしない」とまでいう彼にとっては、南光太郎や瀬川耕司は改造された時点で"稀人"であり戦士たる資格を得た、という事かもしれない。(日本人というのは一般人という意味に近いと思って良い。だからレッドビッキーズの林寛子にしても「女の子なのに野球がしたい」時点で稀人扱い、という事なのだろう)
杉村升の「ZO」は「SPIRITS」のZXに近いスタンス?ラストの宏の「おにいちゃん!」の呼びかけに対してはバイクを止めるものの振り向かない麻生勝、そこへ「ライダー!」と呼ぶと振り向いた笑顔がZOに変わりエンディング!という締めくくり方には感動させられたのを覚えている。
どれも仮面ライダーとして正しいベクトルであると言える。逆に原作者自らリアルさに拘る余り、目的と手段を本末転倒させて"やっちゃった"のが「真」であろう。

昭和ライダー350余のエピソードの中で全てが理想的なストーリーだった等と祭り上げる気は更々無い。凡作も数知れずある。
だが、その全ては愚直なまでに子供を愛し、スタッフを思いやる平山亨氏と、実務面で彼をサポートし続けた阿部征二というプロデューサーによって、正しいベクトルをブレさす事無く育て上げられたといって良い。

翻って今の「響鬼」はどうか?
オモチャも売らねばなるまい、CDも売らねばなるまい、そうかもしれない、綺麗事だけでは作品は作れない、それは解る。
だが、大の大人が作品上でイヤミを言ったり、誰もが見れるWEB上で不貞腐れ気な発言を繰り返すのは正しいのか?
いきさつとして腹が立つ事もあろう、だがそれでも良い作品を作ってみせるのがプロではないのか?
自分の仕事について愚痴を垂れ流すようなクリエイターをプロと呼びたくはない。
物事を斜に構えて薄ら笑いを浮かべながら茶化してみせたければ、子供番組以外でやってくれ。

「キサマのIDと作戦目的は?!」「金儲け、装甲響鬼」
響鬼をそんなヒーローにしないでくれ。
「たとえ神も仏もいなかったとしても…仮面ライダーはいる」
そう信じさせてくれ。御願いだ

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響鬼の「完全新生」路線とそのスタッフを断固支持します!
□『仮面ライダー響鬼『完全新生』路線 復活運動』
「旧路線とスタッフの復活」を願う方は、どうぞ積極的にコメントとTBをお寄せください。
旧路線・スタッフの復活を願う方の記事であれば内容は問いません。

現在具体的な運動としては、「たのみこむ」におけるネット署名活動を展開中です。
ぜひご賛同ください。
□たのみこむ「響鬼に理想の最終回を!」
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コメント

いつも、頷きながらこちらのブログを読ませていただいているのですが、本日は首が痛くなるほどに頷きました !
テレビのライダーは正しく「子供番組」なのですよね !
今が踏ん張りどころのはずの東映さんには、その本当の意味を忘れて欲しくないと、心の底から思います。

投稿: moma | 2005.09.29 23:50

私はいい歳なので、実はV3よりの後の仮面ライダーには少々疎いところもあり、この記事ほど含蓄のあることは言えないのですが(うちの田舎では当時は、日曜の10時台という適当な時間に放送されていたこともありますし...特撮の扱いなんて今も昔も、苦笑)。
それでも、今日の記事に共感できるのは、少年マガジン連載の石森章太郎による仮面ライダーを読んでいたことで。漫画では仮面ライダーは量産できて、結局複数の同類に襲われた本郷猛は倒れて、2号に引き継いだのですけど。それでも脳だけになっても、その意思を貫いたのでした。
たぶん、原作者が言いたかったのも、「仮面ライダーというのは意思」なんだということだったんだと思うのですよ。だから、先日別の方にもコメントしたのですけど、石ノ森章太郎が生きていて響鬼を見たら、「これは仮面ライダーでない。でも、おもしろい!」って言ったと思うんですよね。

投稿: としろう | 2005.09.29 09:44

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