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2006.03.22

追悼 宮川奏先生

今、1作目のサントラを聴きながら書いています。

こないだ伊福部昭先生が亡くなったばかりだというのに、また辛い訃報である。
作曲家宮川奏先生がお亡くなりになった。75歳の誕生日を迎えられたばかりだった。
言わずもがな「ヤマト」であり「ワンサくん」「ブルーノア」「青い鳥」「オーディーン」と西崎PDとの連作が代表的だ。また、「グランプリの鷹」も忘れ難いし意外(というよりはむしろ当たり前?)な所では「三大怪獣地球三大の決戦」でのザ・ピーナッツの歌曲なんかもあったりする。

楽曲としての「ヤマト」との出会い。それはブラスバンドだった。
小学校高学年の時"トランペット鼓隊"に入っていた。そこで他のメンバーがやたらと吹くのだ、ヤマトを。「ふ~ん、かっこいいじゃん」程度には思っていた。
そして、中学校で"ブラバン"に入ると運動部の壮行会の行進曲とかで、これまたヤマトである。で、既にはまっている奴がこう言うのだ。「ヤマトの音楽は良いよ」と。
そこまで言うなら…と思っていた時、運命の日はやってきた。1978年8月4日金曜日。
「さらば」の劇場公開前日、フジテレビで一作目の劇場版のノーカット放送(厳密には頭の黒味部分カット、イスカンダルのシーンはテレビ版に差し替え)をやるという。当時オーディオに興味を持ち始めていた自分はちゃんとコードを買ってきてラジカセのテレビに繋ぎ90分テープを二本用意して待った。(当時はビデオなんて無かったんだよ、若い諸君!)
……めくるめく三時間!川島和子さんのスキャットに、夕日に眠るヤマトに、爆煙の中から現れるヤマトに、そして起死回生硫酸の海を突き破って浮上するヤマトに、そして滅ぼしてしまった敵の廃墟を前にしての悔恨の慟哭に、常に素晴らしいメロディーが流れていた。
 「てれびまんが」なぞ卒業したと思っていた少年を「アニメ」に引きづりこむには十二分すぎる内容だった。そして、音楽!噂は嘘ではなかった。素晴らしい!
夏休みの登校日となる翌日。自分以外にも新たに"はまった"者達は多く教室はその話題で持ちきりだ。そんな中詳しい奴に聞いたらなんと、「音楽」のレコードが出ていると言うではないか、それも「交響組曲」という格調高い響きのレコードらしい。速攻で小遣いはたいて買いに走ったのは言うまでもない。そしてヤマトからハーロック、劇場999、etc…と、アニメとアニメ音楽の泥沼にはまっていったのだ。因みに同年代の人に聞くと、ことヤマトに関してだけは「ブラバンから」はまった、という人がかなりいる。それだけ、ヤマトの音楽が別格的に素晴らしかったが故だろう。
 そのクオリティは「さらば(2)」「新旅」「永遠に」「Ⅲ」と下がるどころかエスカレートしていった。「大いなる愛」の美しさ、「ツンパのマーチ」の楽しさ、「新宇宙」の華麗にして荘厳な響き、スラブ民謡が意表をつく「ボラー連邦」、「完結編」では羽田健太郎との共作となるも「FIGHT!コスモタイガーⅡ」等はシリーズが終わる事を惜しませる程の出来だった。
 そして、ヤマトの物語が途切れても音楽番組に宮川先生の姿ある時、ヤマトは常に一緒だった。時に新たなアレンジを施されたメロディーは先生のタクトに変わらぬ勇壮な響きとなっていた。
 時流れて2000年、「新宇宙戦艦ヤマト」の話が出ていた。個人的には西崎氏あってのヤマトと固く信じる自分としては今ひとつ納得がいかなかった物の、「それでも宮川先生のスコアなら」それはヤマト、だと信じていた。だが、結局それはイメージアルバムに留まり制作はいっこうに進まないまま、先生は逝かれてしまった。
 もういい、ヤマトがあの船体でなければヤマトではないように、宮川先生のメロディーなきヤマトはヤマト足り得ない。パチンコ屋で晒し者になっているのはヤマトでは無いのだ。
 同じ事を書いてしまうが、先生の創られた膨大な量のヤマトの音楽は永遠だ。例え、この先手持ちのCDを失ってしまうような事があるとしても、全ての曲は自分の心にインプットされている。
 ありがとう、宮川先生。出会って四半世紀、ヤマトの音楽は自分の心を勇気づけ癒してくれました。きっとこれからもそうあり続けてくれるでしょう。
 本当にありがとうございました。次回作(^_^;)までゆっくりお休み下さい。

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コメント

トラバありがとうございます。
1999年にコンサートで拝見した時は、
絶妙なトークに観客は爆笑の連続でした。
本当に残念ですね。

投稿: 千絵 | 2006.03.26 08:31

>けんすぎさん
>出棺の際には「真っ赤なスカーフ」が
 ………(>_<)

投稿: 特命課桜井 | 2006.03.25 01:28

出棺の際には「真っ赤なスカーフ」がトランペットで演奏されるそうです。
心に来ますね。

投稿: けんすぎ | 2006.03.24 23:23

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