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2006.11.18

【ウルトラマンメビウス】
「怪獣使いの遺産」コメント返しを含めた補足意見

どうもすっきりしないまま、放映から一週間経ちました。旧作のDVDを引っ張り出して見てみたりもしました。その上で、頂いたコメント返しも含めて補足意見を再度書いてみました。

前回はどこのブログも見ないようにして書いた感想でしたが、色々と見てみた上でまとめてみると、「大筋のストーリーは間違ってないし感動もできるが、細部で粗が目立ちすぎた」という所でしょうか?なかには「きれい事で反吐が出る」「かってのように何故過激にやらない」みたいな難癖的なものもありましたが、きれい事が嫌いな方はそもそもメビウス自体見ない方がよろしいかと。紋切り型に"良が改心したから駄目だ"(確かにもう少し心境の変化に至る動機は欲しかった気もするが)という意見に至っては、暗ければ、深刻ぶってりゃ、良いってもんじゃないだろ?とも言いたくなる。

結論から言ってしまえば鷹司さんのおっしゃる“間違った結論を垂れてはいないが、これが本当に「怪獣使いと少年」の続編を名乗っていいのかは疑わしい”となるでしょうか?メビウスの他エピソードにしても、属性を引き継いだ怪獣の再登場はあってもストーリーそのものの続編はありません。35年の時間経過、そこには、風俗、社会情勢、価値観、物の考え方までもかなりの変化があります。そういう意味では"続編"というのはあまりに困難であった、と言わざるをえません。"価値観"という点から言えば、例えばヤメタランスの続編(?!)なんてのも説得力欠けますね。(これだけニートが溢れていれば)閑話休題。
あと、語ろうとしているテーマは、あまりに別物です。差別問題の前作に対し"過去の清算"がテーマの今作。どうも"続編"先にありき、の結果のようです。「"過去の清算"を語ろうと思ったらちょうど前作の続編が良さそうだった」には…どうも、思えません。マッドハリケーンさんがおっしる通り"まずクリエイターのファン心理が先に立ちすぎ"と言われても仕方がありません。
また、"シリーズ内での整合性"も昔ならさほど目くじらを立てずとも、といった感がありましたが、今日び、そうも行きますまい。少なくともファントン星人編が無ければもう少し気にならなかったところです。fabiusさんおっしゃる通り、"今回の話の都合にあわせて各人の行動が「バカ」にされている"と言われても否定できません。(特にリュウ)ただ、スタートレックは引き合いとしては(土俵が)ちょっと違うのではないかと思いますが。

結局"先に「怪獣使いと少年」の続編"ありき、だった感は否めません。そしてまた、"過去の清算"(或いは贖罪?)について、語る側にもう少し当事者意識が強ければ説得力の有る内容になった気もします。が、どっちに転んだとしても、右か左か批判の嵐にさらされる事は必定。というか、キャラクターの暗部、闇を殆ど打ち出していない健全路線の「メビウス」において、殊更その面を強調する必要があったとも思えない。
「怪獣使いと少年」を含めたかつての"11月の傑作群"(と「天使と悪魔の間に」や続く「ウルトラマン夕陽に死す」)のダークさ加減は、初期1クールにおいて繰り返された厳しい描写があった「新マン」だからこそ、である。さらに言えば、「マン」の「故郷は地球」「まぼろしの雪山」等においてレギュラーの描写は全く"逸脱"していないし、「セブン」の「超兵器R1号」「ノンマルトの使者」では、セブンと地球人の立ち位置の違いこそが生み出していた苦悩を上手く描写していた。今回の作品について言えば、"デリケートなテーマに配慮"しすぎて(客観性を重視しすぎた為に)主人公たるミライの目線から描く事を放棄してしまった事、が"面白くない"一番の原因な気がする。

しかし、書いてて考えてしまったのだが、この作品の"過去の清算"についての説得力、切迫感の無さ、というのは、偽らざる戦後生まれの我々の"実感"ではないかという気もしてしまうのだ。かつて"スペル星人"封印について、当事者たる脚本家佐々木守氏は「被害者の主張は全て正しいと考える事にしている」と語っていた。当事者でない者には、"踏みつけられた痛み"は分りようがない、と言う事だ。ただ謝れば良い、とも思えないし、うかつに解った気分になるのもどうか?と思ってしまう。繰り返すが上原正三氏の「好ましくない」発言には「上っ面だけで解った気になってもらっても」という気持ちがあるのではないか?
やはり、今回はテーマ選びからして間違ってしまったのではないか?という気がしてならない。シリーズ全体から見ての浮き加減という点から考えれば、シリーズ構成の赤星氏ならテーマも含めもう少し違ったものに仕上げたのではないか?という気もする。
もし(このような趣向の)"次"があるならもっともっと煮詰めて挑んで欲しい、と思う。ウルトラシリーズは、そういった(人間を信じるからこそ)"人間の暗部にもスポットをあてる"事が可能な作品、の筈だから。

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