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2008.07.06

【よみがえる空】実写映画化決定!

That others May Live   他を生かすために

 航空自衛隊小松基地を舞台に「最後の砦」といわれる航空救難団の活躍、というよりは、"仕事"ぶりを地味に、しかし緻密にかつ感動的に描き出したアニメ「よみがえる空~Rescue Wings~」(2006年1月~3月TV東京系)が、実写映画「空へ~救いの翼~」が2009年の正月映画(角川映画系)として公開されるとの事。

http://www.rescue-w.jp/anime_info.html
http://hochi.yomiuri.co.jp/entertainment/news/20080703-OHT1T00084.htm

 しかも、監督は「ゴジラ×メカゴジラ」(機龍の方ね)「戦国自衛隊1549」等、地味だが誠実、特にミリタリー方面の緻密な描写には定評のある手塚昌明氏とあっては、期待せずにはいられない。

 放映中にレビューし損なったが、この機会にアニメ「よみがえる空~Rescue Wings~」を御紹介させて頂きたいと思います。
 この作品は萌アニメ全盛の昨今にあって、当初女性パイロット「川島遥風」を主人公として製作が進められており、実際パイロットフイルムも作られています。ところが「女性主人公では(短いワンクールの中で)"救難"を描ききれない!」「あんたがやりたいのは萌えじゃないだろ!」とスタッフとプロデューサの間での熱く壮絶なやり取り(らしい)の末、実作品のような形に落ち着いたのだそうです。
 レスキュー物というと、熱血主人公が危険も顧みず危地へ飛び込んで救助、みたいなイメージがありますが、本作ではそんなヒロイックな活躍は許されません。それどころか冷酷とすら感じさせられる程のシビアな描写が続出します。特に初めての出動に於いては、主人公の軽率な(といってもあくまで結果論としてそれも善意の)行動の結果小学生の女児が命を落としてしまう、という後味悪いにも程がある展開には、本当に度肝を抜かれました。そもそも主人公内田一宏三尉(演:宮崎一成)は志望していた戦闘機パイロットになれず、救難のヘリパイロットになった事も本意で無く気持ちは沈んだまま。落ち込む彼を遠距離恋愛で励ましてくれる恋人、長谷川めぐみ(能登麻美子好演!)にしても、社会人一年生として"仕事"の壁にぶち当たって悩む事には変わりありません。
 彼らの前には、ひたすら"現実"が壁として立ちはだかり、しかしそれを超能力でも魔法でも無く己の力のみで乗り越えていくしかない(一宏にきつく当たる上司、本郷一佐やゲストキャラの少年吉岡悟にしても)というストーリー、とあっては、最早"アニメ"である必要は無いのではないか?とすら思わされるシリアスかつシビアさです。しかし、そこを脚本で演出で作画で声で丁寧に丁寧に描いた事によって、「実写以上にリアルな」アニメに成り得たのではないか?自分はそう思っています。あぁ、「ひょっこりひょうたん島」にしてもそうよ、え?何の事かって?そいつぁ、見てくださいよダンナ。あっけに取られるけど泣けますよ、あれは。てか泣いて下さい石塚運昇氏の歌声で!
 作画面でも、自分はアニメに於けるメカのCG作画をあまり肯定しない方なのですが、この作品のリアルな作風では、CGで無ければならなかったと思います。パイロット版では手書きでもかなり緻密に描き込まれているのですが、実作品のCGの金属感あってこそ実作品のシリアス、シビアなムードが醸し出された、と言えるのでは無いでしょうか。実際、只でさえ重いデータの救難ヘリ、しかも飛ぶのは悪天候ばかりとあって、霧や雨粒等も加わった描写は凄まじく重いデータで苦労されたようです。(スタッフ曰く「劇場版じゃないんだから」)
 サウンド面でもレベルの高い作品でして、声優陣は実力派揃いですし(西"シャダム中佐"凛太朗は声だけでは解らんかった、結構声優の仕事が多いんですね)能登嬢は地元とあってDVD特典では二度に渡って出演、大活躍してます。能登ファンでDVD買ってない人は人生の半分を無駄にしているといっても過言では無いでしょう(ヲイヲイ)松尾早人氏の音楽もアコースティック中心のシリアスな秀作ですが、何と言っても影山ヒロノブ作詞、曲、歌のエンディング曲「エンブレム~名も無き英雄達へ~」は感動的で、泣けるバラードです。(各話での微妙に編集した使われ方がまた絶妙!)他の挿入歌もJAMProject遠藤正明福山芳樹きただにひろしの各氏がそれぞれソロで歌う、という珍しい形ですが傑作揃いです。エンディング、挿入歌を収録したアルバムは買い!ですよ。
 ムック本やDVDの冊子等で語られていますが、ともかくバンダイビジュアルの杉山潔PD(元々BVの自衛隊関連ソフトを担当)の熱意というものが半端でない、というかこの人が引っ張らなければこんな受けそうもない(失礼)企画が通りはしなかったでしょう。物語は終始淡々と冷徹に進みキャラクターは何も主張しないにも関わらず、そこからすごい熱さを感じさせられるのは「救難隊という仕事をしている人たちが居る事を皆に知って欲しい」という強い気持ち(ミリタリー物のソフトは結局マニアしか見ない為)が反映されている故でしょう。
「伝えたい物」がある作品、というのは自ずから輝きが違ってくる物では無いでしょうか?
萌えアニメ(の全てが悪いとは言わないが)全盛の中でシリアスなドラマで魅せるこの作品に出会えて「アニメもまだまだ捨てた物じゃないな」と見ながら思った物です。あ、でもWAF西田三曹(演:笠原留美)のポニテは萌え。胸揺れもあるし\(゜ロ゜)ソコジャナイダロ

 「女性パイロット」自体は、トミイ大塚氏のコミック「レスキューウィングスゼロ」(旧タイトル「レスキューエンジェル」もともとこちらが先行していた)「レスキューウィングス」(主人公を変えて再スタート)で描かれる事となりますが、こちらもなかなかの傑作。"女性"パイロットである事を生かした構成も良く、良い意味でアニメ版と好対照を成しています。(コミックス版主人公川原泉とアニメ版の内田一宏が競演する番外編もあります)

 さて、実写映画では改めて川島遥風が主人公となります。主役を演じる高山侑子嬢はなんと15歳(!)亡くなったお父さんが実際に新潟救難隊隊員だったそうで、まさに運命的とも言えます。そして「メガギラス」の田中美里、「メカゴジラ」の釈由美子、「戦国自衛隊」の鈴木京香とバトルヒロインの描写には定評のある手塚監督です。さすがに"特撮"は無いでしょうが、正月映画とあってはゴジラ映画の系譜に繋がると言えなくも無い、かな?ともかく期待せずにはいられません。



 とにかく、特典映像の充実ぶりは半端じゃないです。実際の小松救難隊の隊員さんへのインタヴュー、主題歌挿入歌PV、能登嬢に至っては小松基地、金沢市内と二度に渡って舞台探訪、基地では飛行服にまで着替える奮闘ぶりで、少ない萌え分補完(^_^)を一手に担当してます。最終巻は飯塚昭三が渋い本村准尉メインのTV未放映話。(河森正治デザインのパワードスーツ?が出てくるパイロット版等特典映像てんこ盛りの特典映像は限定版のみなので御注意)

 JAMプロのアルバムには全挿入歌、EDを収録。美郷あきのOPの爽やかさもイイ。松尾早人の劇伴は「救難隊出動」「男達の試練」等燃えナンバーも多い。


 特撮ファンには特撮NewTypeでの「ウルトラマンマックス」「超忍者隊イナズマ」でもおなじみトミイ大塚氏。かわいい女キャラとシリアスで迫力あるアクションを両立できる実力派。結構好きな作家さんです。あ、ハルカもイズミもおっぱい分高し(笑)
小川一水氏の小説だけは完全に独立した設定になっています。

 アニメのと言うよりは、実際の救難隊の方にウェイトが大きく置かれているムック本だが、これはこれでアリ。あ、くどいようだが能登ファンは必携ですぜ(^_^;)

 救難隊という特殊な舞台ではありますが、"仕事"というものに対してどう挑んでいくか?というのが一つ裏テーマとなっていて、そういう意味で決して特殊なマニア向けでなく誰が見ても"何か"を感じられるそんな作品ではないかと思います。"よみがえる"空ってどういう意味なのか…?レンタルも出てますので、騙されたと思って5話までは頑張って見てみて下さい。1話だけ見て止めたら"おえん"(^_^;)よ。


公式サイト

http://blog.livedoor.jp/yomisora/
公式ブログ

よみがえる空 RESCUE WINGS レスキューウィングス 空へ~救いの翼~ 航空自衛隊 小松救難隊 手塚昌明 能登麻美子 UH-60J U-125A 高山侑子
最後の砦 That others May Live 桜美かつし 宮崎一成 石塚運昇 飯塚昭三 小山力也 西凛太朗 レスキューエンジェル おえん

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