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2010.10.04

【フィギュア17】全話解説アップ開始します

2007年夏コミで上梓したフィギュア17全話解説本 想い出を語れますか」ですが、発行後3年を過ぎた事もありますので、記事をWEB上にアップしていこうと思います。
よく考えてみたら、WEB記事でフィギュア17の事に全く触れてないのもどうだ?って事で。DLサイトとかも考えたんですが、まぁ儲かる程売れる訳もないしね。

(1/20追記)なーんて言ってたら、このタイミングでバンダイビジュアルから廉価版DVD-BOXが発売決定…だ…と……!!どう考えても「10周年を盛り上げましょう」なんて気を効かしてくれたとも思えないが、全巻新品で揃えたら\79,170が\15,750、アマゾンなら\11,655ですからねぇ。ヤフオクの中古全巻セットより安いですから、迷っていた人は買いですよ!

ここで「フィギュア17 つばさ&ヒカル」という作品について簡単に触れておきます。
2001年5月27日から2002年5月26日までの一年間、毎月1話、60分枠(実質45分)で、CS放送のAT-X(アニメシアターX)で放送されたアニメ作品。(毎月最終日曜日22時~23時)
遅れて2002年1月11日から同年6月26日まで地上波のテレビ東京深夜枠にて30分1話に分割して放映もされた(1話、最終回は一時間枠)
DVD、VHSは、バンダイビジュアルから1巻1話で全13巻が発売された。(海外版については、北米版、フランス版が確認されている)
デジタルも併用してはいるが、基本はセル画使用の35mmフィルム、ビスタサイズ制作という、過渡期という事を差し引いても、テレビとしては珍しいフォーマットである。(地上波放送時はスタンダードサイズにトリミング)

 メインスタッフ
製作:フィギュア17製作委員会
   (バンダイビジュアル、AT-X、テレビ東京メディアネット、
    メディアワークス、ジェンコ)
アニメーション制作:OLM (TEAM WASAKI )
監督:高橋ナオヒト
シリーズ構成、脚本:米村正二
キャラクターデザイン、総作画監督:千羽由利子
美術監修:小林七郎
音楽監督:高見沢俊彦(THE ALFEE)
音響監督:渡辺淳
各話演出、絵コンテ:
 矢野博之、村田和也、深沢幸司、須藤典彦、井硲清高、
 辻初樹、玉川達文、瀬晴よし子、高橋ナオヒト
作画監督:
 沢田正人、斉藤英子、佐藤陵、原将治、藤澤俊幸、佐藤和巳

 主なキャスト
椎名つばさ:矢島晶子  椎名ヒカル:折笠富美子
D・D:小山力也  オルディナ:井上喜久子
椎名英夫:佐藤正道  茨木新一:大川透
相沢翔、茨城京子:鶴野恭子(現石村知子)
萩原健太、日比野明子、ナレーション:加藤優子
唐沢飛鳥:柚木涼香  伊藤典子:高野直子
沢田美奈:釘宮理恵  小川真二:本田貴子
茨城さくら:堀江由衣  黒田勇:大塚芳忠 

 あらすじ
父の転職に伴い、東京から北海道萌野町(美瑛町がモデル)に転校して来ていた、小学四年生の少女、椎名つばさ。内気な性格が災いしてクラスにとけ込めず鬱々と孤独な日々を送っていた。
が、ある夜裏山に墜落したUFOを見に行ったつばさは、倒れていた異星人の男性(D・D)と暴れるモンスターマギュアに遭遇してしまう。マギュアに宇宙船内に追い詰められたつばさ。壊されたカプセルの液体が触れた瞬間、彼女は戦闘サイボーグ"フィギュア17"にフュージョンしてマギュアを倒した。戦いが終わり元に戻ったつばさの隣には、何故か自分とうり二つの少女がいた…。
そしてヒカルと名乗った少女とつばさは双子の姉妹として、日々の暮らしとマギュアとの戦いを共にしていく。
自分と正反対に明るく快活なヒカルを見てつばさは想う。
「この娘は私のなりたい私かもしれない…」
ヒカルとの日々の暮らしの中で、つばさは何を感じどう変わっていくのか?そして北海道中に散った凶悪モンスターマギュアを回収する事はできるのか…?

ここから先は、解説本に載せた原稿を再録していきます、但し、誤字脱字の類、また、後々気づいて加筆した部分等もあるので予め御了承下さい。

バンダイチャンネル フィギュア17 1話無料配信中
公式ページミラーサイト

 「フィギュア17」は失敗作なのか?
失敗作だろう。っていきなりそれは無いじゃないか?と本書を手に取って頂いた方ならそう思われるだろう。だが、商業的に見たらどう見ても成功とは言えまい。
 本作は2001年5月27日~2002年5月26日の一年に渡ってCSスカイパーフェクTVのAT-Xチャンネルで月一回、各1時間枠という特殊な形態で放映された。
AT-Xは系列的にはTV東京のCS系といえ、他のアニメ専門チャンネルのアニマックスやキッズステーションと比べた場合、よりマニアックな作品セレクトが行われており、またTV東京未ネットの地域でも(週遅れ等とはいえ)地上波では見れない作品を見れるというメリットがある反面、月間視聴料は\1,500(現在は\1,890)とかなり高い為、二の足を踏むケースも少なくない。従ってCS視聴層が限られる中でもAT-Xを視聴している人間は更に限られ…といった事になる。新たな視聴者層を獲得する為の手段として「AT-Xオリジナル」の作品が企画された、というのが経緯ではあろう。
 しかし、「商品」としての「フィギュア17」は地味すぎた。メインは女性キャラとはいえ、それが小学四年生というのは、おたく的な要求からは外れているし(かといってロリ好き層を取り込む程媚びている訳でも無い)それは変身ヒロインとしてのフィギュア17も同様であり(番宣で言われていた「フィギュア17対マギュアの究極バトル」といった)ニーズが有ったとは思えない。バトル以外の内容的にはむしろNHK教育の方がお似合い(というかやって欲しい、AT-Xには悪いが)ではないか?
 AT-Xにおける視聴率がどのような形で利益として戻ってくるのかは分らないが、一番主要な商品としてのDVDがさして売れなかった(あくまで類推、1,2巻のみ後々まで店頭に残っているケースが多かった。ヤフオク等での処分も圧倒的に1,2巻が多い)事。また、当時の粗悪なアニメ制作体制が普通の中で、段違いに丁寧に作られた内容は到底安い制作費で作られているとは思えず、大きな利益が出ていたとはとても思えない。DVDの新巻がショップの店頭にデフォルトで並ぶ事も少なくなっていった。
 ところが、半年を過ぎて唐突にTV東京において地上波放送が始まった。なんでも放送予定だった「ワイルド7」の制作が遅れに遅れた結果、急遽代打として穴埋めに当てられたらしい。1話と最終話以外は本来の1時間枠を分割しての放送ではあったが、ここで地上波版を見た人間が反応し出す事となる。公式HPの掲示板にも地上波版を見た人間の反応が多く描込まれるようになり活況を呈しだした。この時期からDVDの売り上げも持ち直し始め、8巻辺りからは初版が品切れる事態も出だした。しかし、時既に遅くDVD販売元のバンダイビジュアルも最早大きく推す事もなく、放送は予定通り全13話を放映して終了。電撃大王で連載されていたコミカライズも大幅な減ページの扱いを受けつつ終了。コミックス2巻と米村正二によるノベライズの発売を持って全ての展開は終了した。
 後半の展開について言えば、「衛星波でしか見れない作品」を一番アピールしたのが、「地上波での放送」という皮肉な結果を呼んでしまったといえる。AT-Xは後の「神魂合体ゴーダンナー」等では並行して地上波での放送を行うように改善している。アニマックス等も含め、以後も「CSのみの放送」作品はいくつかあったが、強い印象を残すに至った作品は殆ど無い。

 「フィギュア17」は名作である!
 「日本映画は「踊る大捜査線」のヒット以降、"作品"ではなく"商品"と化してしまった」という意見がある。アニメとて同じである。「玩具会社が口を出すから良い物が作れない」と言っていた制作者は、今や出版社、レコード会社の意向に振り回されながら、"商品"を作っている。
 ファンの側も情けない話、「売れた物こそが良い物だ」と思っている人は多い。そうではあるまい?特にこの10年程のアニメの粗悪さには目を覆いたくなる物も多く、さながらワンクールで垂れ流され消費されていくTVドラマ(という言葉を使うのもおこがましい)の如く、忘れ去られていく。記憶に残るのは、一部のハッタリで話題を呼んで誤魔化した粗悪品のみ(どれとは言わんが)中でも一部のおたくに迎合しつくした情けないとしか言いようのない作品、そればかりになっていくのは耐え難い物がある。アニメなんだから娯楽に徹すれば良い、のだろうがそういう作品に限って設定を消化する事に腐心した挙げ句、エンターテイメントのかけらにも成り得ていない。あまつさえ、「ドラマ」を語るなど。
 正直、エンターテイメントという点では「フィギュア17」はあまり褒められた物ではない。だが、事「ドラマ」という点に於いて、その為の脚本、演出、作画、演技、音楽に於いて、この作品の右に出る物は決して多くはない。(もちろん、人によって意見は違うだろうが)
 その詳細は本文に譲るとして、自分が本作を一番評価している点、それを一言で言うなら「志の高さ」でありそれを作品中で声高に語らずなおかつきちんと示している事である。
 また、一部で誤解されているように「フイギュア17」は「癒しアニメ」では無い、断じて無い。そりゃ確かに北海道の美しい自然、視聴者もかって体験したであろう小学生の楽しい思い出等は存分に描かれている。高見沢俊彦の音楽に至ってはアルバムだけ聴けば癒し系と言って何も差し支えはない。しかし、主人公であるつばさの日々は決して癒されて等はいない。むしろ、内気で引っ込み思案な彼女にとっては、見知らぬ土地で過ごす毎日が苛烈な闘いの日々といっても過言ではない。更に、ストーリーは視聴者である我々をも甘やかしてはくれない。その最たる物がつばさを理解してくれていた翔との接近とその矢先の死であろう。しかもその死はアニメにありがちな何かの為、誰かの為の死ではない。それは目の前の「現実」であり、それは越えていくしかないのだ。ましてや、ヒカルとの別れは…!
 「そこを越えろ、全てを捨てろ、昨日を忘れろ」毎回OPで流れている歌詞、それはつばさに対してだけではなく画面の向こうににいる我々に対しても突きつけられた物では無かったのか?そう「君だけの孤独に今けりをつけろ」と。
 そんなこんなを考えながら、DVDを見直してみて貰えればまた新たな発見があるのではないだろうか?

 誰もが面白いアニメじゃない
 ブログ掲載にあたって、加筆したい事が一つ有る。
 多分に、誤解を招きかねない、下手すりゃ思い上がっている、上から目線としか取られかねない事、ではある。が、あえて提起したい、そして最終話のレビューまで行った時に改めて検証したいとおもうのだ。
 「フィギュア17」「よみがえる空」(アニメ版)「宇宙戦艦ヤマト復活編」そして、「大魔神カノン」…、え、お前の好きな作品ばっか並べてって?そりゃ、そうなんだけど。
 これらの作品に共通している事、それは「バカが見ても面白くない」という事だ。バカとはなんだ、バカとは!!すいません、じゃあ、言い換えます。「ワンピースやドラゴンボールを喜んでみてる人間には分からない」え?余計まずかった?まぁまあ抑えて抑えて。
 この中で特にヤマト復活編については、このブログでも紹介したトーノ・ゼロさんのヤマト関連記事を読んでいただきたい。特にこれとか。
 この4作品について、けなす人の文句は多分こうだ、「地味で面白くない」そんな事も分からないのか?懐石料理を食べに行って「味が薄い」「量が少ない」と文句を言うが如く。つまり「ハンバーガーが食いたい奴はハンバーガー食ってなさい」て事だ。別にハンバーガーが悪いとは言わない。だが、売れているからと言って、マクドナルドが懐石料理より偉い訳ではないのだ。もちろん、逆も然り。
 アニメが一般的になって結構ですね。でも、その分見る側のレベルって上がってないよねと。少なくともこの4作品については、見る側にある程度以上の鑑賞力が要求される。復活編についてはトーノ・ゼロさんも書いているが、"引き籠もりのニート"なアニオタに好かれる作風では無いのだ。「よみ空」は「海猿」では無いとかね。
 こういう事を書いていると「オマエはアニメエリートでも気取ってるつもりか?」とか言われかねないが、例えばオイラ「ハートキャッチプリキュア!」とか好きだしね。エンターテイメントとドラマ性を共に充実させているという点では、昨今希有な存在だけど。まぁ、「イカ娘」に期待してるとかバカだなぁとか思ってやって下さい。閑話休題。
 以上の事について聞く耳持たない訳ではないですが、コメントとかは求めません。各人気になったら、御自分で考えて下さい、関係ない記事にコメントとかやっても一切スルーしますので。
 色々、不愉快な文章で申し訳ありませんが、よろしくお願いします。

 地上波番宣映像30秒(ナレーション矢島晶子)
「雄大な自然に包まれた北の大地。10歳の少女、つばさの前に突然自分そっくりの少女もヒカルが現れた。つばさとヒカルの心が一つになった時、光に包まれて未知の力が生まれる。戦慄のリアルスケールSFバトル、フィギュア17。今、もう一人の自分を目撃する。」

1話「今の自分は好きですか」

2話「一緒にいたい人はいますか」

3話「勇気を出してみませんか」

4話「羽ばたく心を持っていますか」

5話「大切な人はいますか」

用語解説集1話~3話

用語解説集4話~7話

 

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