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2011.01.28

【フィギュア17】3話「勇気を出してみませんか」

3話予告
「ふたごの姉妹として暮らす事になったつばさとヒカル。しかし、ヒカルのように明るく積極的になれない自分に、つばさは却って自信を無くしてしまう。
そんな時、新たなマギュアとの戦いが…。「私たち、二人じゃないと勝てない!」
叫んだヒカルの声がつばさに重くのしかかった…。」

Fg173

3話「勇気を出してみませんか」 2001年7月29日放映
 (脚本タイトル「熱くなったことありますか?」)
絵コンテ: 村田和也、 演出:村田和也、須藤典彦
作画監督:沢田正人、斉藤英子、藤澤俊幸、佐藤陵、原将治
ゲスト:村上潤子/水樹旬、村田真希/室井晃、

少々間が空いてしまいましたが、DVD-BOX発売に向けてピッチを上げていきたいと思います。

ヒカルに関する設定的な部分は前回でほぼ固まり、今回からフォーマットエピソードが始まります。どうヒカルがアプローチして、どうつばさが変わっていくか?という展開のファーストエピソードです。

つばさとヒカルの新たな日々が始まった。ヒカルの元気で明るい雰囲気が、つばさと廻りのの人達のムードをも変えていく。
 冒頭でいばらぎ牧場を俯瞰するワンカットがある。それをみる限り、やはりそれ程大きな牧場ではないように見えるが、実は美術設定では、かなり広い牧草地が設定されている。この辺りは、エピソード毎でややニュアンスが違って感じられる。
元気に駆けていくモノの定期券を忘れて慌てて家に戻る辺り、ヒカルに対して(つばさとの差別化で)若干おっちょこちょい的な肉付けをしようとしたのか?
 真二が「やっぱ東京の子は違うよなぁ」と感想を言うが、実際の現実でも、田舎と都会ではその辺のずれがあった様に思う。ただし、この作品を作っているスタッフがリアルタイムで子供だった頃の話である。情報化が進んだ今時は田舎の子だってススンデいるかもしれない。この作品で描かれている子供達(特に学校関係)での描写は、どちらかというと70~80年代のテイストである。それについては賛否両論有るかも知れないが、極端に酷いイジメや学級崩壊した状況を「リアルに」描写したところで、作品的にまたテーマ的にさして意味が有るとも思えはしないので、これはこれで良いと思う。
 ヒカルの参入により、クラスのキャラクター達の距離感は1話とは大きく変わる事となる。飛鳥と(1話では出番の無かった)典子が大きくつばさに近づいていく事となる。彼女達と盛り上がっているヒカル達を、頬杖ついてシレっとした目で見ている美奈が何とも良い味(笑)を出している。

体育の授業ではポートボールの試合をする事となり、つばさとヒカルに飛鳥と典子が加わったチームで練習を始める。その日の夜、父に楽しげにその話をするヒカル。その夜もD.Dはマギュアに対する備えを進めていたが、日高山中では三体目のマギュアが目覚めようとしていた。
 ポートボールについては、ネットでの反応を見ると「知らない」という声も少なくなかったようだ。元々、バスケットゴールを設置するのに費用もかかるし、小学生には少々ゴールが高すぎるという問題を解消する為に生まれた競技のようだが、流石に小学校限定でかつ地方によっては全く行われていなかったようだ。ボールを持って歩いてはいけない、等基本ルールはバスケットに準じている。
 練習シーンに流れる曲「あふれる笑顔」がなかなかに良い感じだ。ブラスバンドでは無く「鼓笛隊」テイストな辺り、高見沢氏は「分っている」と唸らされる。印象の強い曲なので何度もかかっていた様な錯覚を感じるが、意外な事に使用は全話通じてこのシーンだけ。(後にボイスクロックのCMに選曲され再度陽の目を見た)
 翔についてヒカル達が話している時俯瞰気味になるが、3人の靴の色がかなり変だ。ヒカルがグレー、典子が黄色、飛鳥に至っては革靴っぽい茶色?…と、キャラ分けしなければならないのは解るが、靴は別に普通の白い運動靴かスニーカーで良いんじゃないかなぁ?ボールを持ってコートに戻るつばさを「立って」見ている翔。(割と長い秒数で写っている)それまで「座って」見ていたのに対する変化は、「自由に運動したい」想いか、或いはつばさへの興味か?

次の体育の授業でつばさ達は美奈のチームに練習試合を持ちかけられる。しかし、美奈達は、ラフプレイを繰り返しつばさ達は負けてしまう。憤る飛鳥達だがヒカルは逆に闘志を燃やし、フェイント戦法を提案する。だが、そのプランではシュートするのはつばさだった。放課後、健太達男子と練習をするも、シュートが上手くいかないつばさ。彼女の気持ちを、プレッシャーと美奈から受けたラフプレイのショックが重く沈ませていた…。一方、D.Dもデコイを使って目覚めたマギュアを誘いだそうと行動を開始していた。
 練習試合では美奈のワル振りが炸裂。美奈は作品世界では数少ない「悪い」キャラクターとして印象づけられているが、明確にワルとして描写されているのは今回くらいか?(高橋監督は少なくともマギュアを「悪」としては捉えていないと思う)「美奈組」の面々も微妙なヒールっぷりを振りまく事で、視る側につばさ達への感情移入をさせる。「弱すぎて練習にならないね~」でワルっぽさを駄目押しするのもイイ。が、憤る飛鳥や典子に対し「面白くなってきたな~」と闘志を燃やす(?)ヒカルのポジティブぶりもなかなかである。囮作戦を考えつく辺りは、やはり戦いの「プロ」というべきか?同じ頃、D.Dがデコイでマギュアの誘き出しを考えている辺りは偶然か呼応させたのか?
 放課後自由練習をしようとする健太に対して細かく突っ込む飛鳥の言い争い、は今後定番となっていくが、適当な健太と潔癖性な飛鳥の差がよく出ている。
 帰りのバスの中でのつばさの台詞「なんか、いやだった」は少々難解だ。直前の回想シーンでは男子との練習の時のミスシュートが回想されているので、美奈が云々は今ひとつ繋がらないのだ。「暴力的な事→戦う事」が嫌、という事でマギュアとの戦闘シーンに繋がるのか?にしても少々解りづらいのは事実。デコイ射出で、後半へ。

D.Dはデコイからフィギュアの固有振動数を発振してマギュアを誘導、捕獲して回収を試みる。
一組とのトーナメント試合でつばさ達のチームは勝つ事ができたが、つばさはシュートのチャンスにも勇気を出す事ができなかった…。

 デコイでのマギュア捕獲等打てる手の少ない中、敵の特性に応じた作戦を段階を追って描写する事でリアルな展開に努めているが、この当りの地味さ加減が良くも悪くもフィギュア17という作品らしい。
 一組二組の合同試合と言う事で、第二の悪?時夫が登場。美奈と違い、ストーリーの根幹にはまるで関係ないキャラクター故、30分13話だったなら真っ先に切られるキャラだろう。(逆に30分26話ならエピソード数稼ぎに活躍しそう)理屈っぽいところも嫌らしいというか、こいつ絶対将来粘着オタだ(爆)

回収しようとしたマギュアは、D.Dの眼前でネットを破り逃走してしまう。カリオン銃で応戦するも効き目はなく、D.Dはヒカル達を呼んだ。マギュアがD.Dを襲おうと眼前に迫ったまさにその時、変身するフィギュアの光が輝いた。
 マギュア出現の報に駆け出すつばさとヒカル。追いかけるモノの、ボールであしらわれるてんまるがクスリと笑わせてくれる。
 変身したフィギュアに対してから初めて牙をむくマギュア。「固有振動数云々」の設定がちゃんと生きている。恐らくは元々対フィギュア用に作られたのがマギュアという事なのだろうか。とかく「ウルトラマンぽい」と言われるフィギュアだが、この回の戦闘シーンは特に猫背っぽく初代マンを彷彿とさせる。なす術の無いD.D、「頼む…」の台詞が何とも情けない(笑) 「あっちには花畑が!」「ダメ!」の短い台詞だが、つばさ達なりの「守るモノ」を感じさせてくれるのが良い。ある程度仕方無しに戦っている、とはいえ彼女らなりの論理とて僅かでも感じさせてくれた方が良い。
 そして「一緒じゃないと勝てないよ!」今回の鍵となる台詞である。「力を合わせないと勝てない!」とは戦隊シリーズや合体ロボット物で良く耳にする台詞である。が、今回のそれは少々趣が違う。それはポートボールでシュートをためらいヒカル任せにしていた姿と被る。引っ込み思案だったつばさだが、ヒカルの登場によって今度はそれに甘え逃げてしまっているのだ。戦隊等でのシチュエーションが「同じような力を持っている物同士認め合って力を合わす」という意味合いを持っているのに対し、つばさに対するヒカルのそれは「同じステージに立て」という意味合いが強い。マギュアとのバトルに於いてある程度ヒカルに依存するのは仕方無いが、ポートボールの場合は「同じステージにすら」つばさは立っていない、いや、立とうとすらしていないからである。
 少々お約束な教訓じみた展開ではあるが、それでも他の作品と一線を画している部分はある。普通ならポートボールで勝った後にマギュアとの戦闘となるのが定石だが、今回はあえてそうなってはいない。それは、作品としてつばさの成長を重視した場合、一体化してのフィギュアでの戦いよりも「一人で」シュートしなければならないポートボールの方が、より重い意味を持つからだ。D.Dの申し出を受け入れるのが戦いの直後でない事はポートボールの決勝前か後かで意味合いは違ってくるのだ。

「俺にはもう手が無くなった」改めてつばさに協力を頼むD.Dとヒカル。だが、つばさは勝てたのは自分の力ではなくヒカルの力だと言う。
翌日、決勝戦の対戦相手は美奈達のチーム。試合は激しい競り合いとなる。だが、美奈のラフプレイに萎縮するつばさは、チャンスにもシュートする事ができない。飛鳥の励ましにも無理だと言うつばさに、ヒカルは…。

 「ダメだよ、つばさちゃん!つばさちゃん、勇気を出してないだけじゃない!」
初めてつばさを叱責するヒカル。戦闘の時ではなくポートボールの時の叱責だからこそ、その言葉は重みを持つのだ。そして、美奈のブロックをかいくぐりシュートするつばさ。あおりで捉えたショットはまるで青空にボールが吸い込まれるようで、一気に開放感を与えてくれる素晴らしいカットである。ヒカルの励ましとつばさの勇気をよりそうが如く代弁する「Innocent Fields!」のスキャットも感動的だ。

勇気を出したつばさのシュートは見事に決まり、つばさ達のチームは優勝する事ができた。
そして、つばさはD.Dの依頼に対して協力する事を告げるのだった。
だが、新聞には2体目のマギュアに全滅させられた芝桜が、謎の枯れ野現象として報じられ、D.Dの星からは応援が到着しようとしていた。事態は新たに動き出そうとしていた…。

D.Dにつばさの決意を伝えに来た二人、「あのね、つばさちゃんが…」といってつばさに自分の口から言わせようとする辺り、やはりヒカルは「母」でもあるのだな、と思わせる(気づいたのは最終回まで見た後だが)
 「データ通りの星ね」オルディナの台詞はたった一言。初登場キャラのあっさり目な扱いは後の黒田にも踏襲?される(笑)

【キャラクター】
クラスメートが一気に登場。運動できない翔、喧嘩っ早い健太、生真面目な飛鳥、陰湿な(本人はめっちゃ楽しそうだが(^_^;)美奈とそれぞれの綿密な描き分けが楽しい。特に美奈のワルっぷりが際だつが、この後では段々おとなしめになっていくのは残念?

【総論】
ヒカルが登場した事によるつばさの立ち位置が最初に問われるエピソードである。前話ではむしろトラブルメーカー的な役回りだったヒカルだが、今回はむしろ姉妹逆転、姉的なスタンスになっている。そして「ダメだよ、つばさちゃん!」の一喝。「今日は四人で一緒だよ」の台詞も、つばさの力量を認めればこそ(飛鳥やヒカルの台詞でちゃんと「上手い」とフォローがされている)であり、決して弱者への同情やお情けから来ている訳ではない。とかく、「ひ弱なつばさがヒカルに助けられる」イメージで捉えられがちなこの作品だが、「双子の一人」ではなく、「つばさはつばさ」であるという認識、そう、つばさの「戦い」はもう始まっているのだ。

4話予告
「北の大地の夏。一番美しい季節を迎えて、つばさの心は少しずつ変わり始めていた。そして、キャンプの日の小さな出来事…。「つばさちゃんは空を飛ぶ夢を見た事ある?」しかし、マギュアの出現が否応無しにつばさを嵐の夜に連れ出してゆく…。」
「羽ばたく心を持っていますか」

バンダイチャンネル フィギュア17 1話無料配信中

 

フィギュア17つばさ&ヒカル  高橋ナオヒト 千羽由利子 米村正二 高見沢俊彦 矢島晶子 折笠富美子 小山力也 柚木涼香 高野直子 加藤優子 本田貴子 鶴野恭子 井上喜久子 釘宮理恵 佐藤正道 大川透 感想 レビュー 評価 解説

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