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2011.10.03

<夜毎の音盤>魔法少女まどか☆マギカ ORIGINAL SOUNDTRACK I・Ⅱ・Ⅲ

夜毎の音盤としては、実に久々の更新となりました。
今回のお題は「魔法少女まどか☆マギカ」、ただし、この作品、サントラは市販されずDVDの特典として付属という有様。梶浦由記に音楽やらせといて、この仕打ちはないだろう?「空の境界」に続いて、と憤ってみてもどうにもならず。結局、2、4、6巻と飛び飛びに買う羽目にw
 とはいえ、内容はやはり素晴らしい物でした。今回は、いくつか個々の曲について言及しつつ、バラバラになって聞きづらい曲順を構成し直して楽しもうという趣旨です。それではどうぞ。

List_2

三枚分の容量を併せると87分、CD一枚+αをようも三枚に薄めて分けてくれたもんだ、と愚痴の一つも言いたくはなりますが、まぁそれはその辺で。
 タイトルはいつもなら梶浦さん自らつけるところを今回はANIPLEXのディレクターがつけたとの事。ただ、バッチリはまっている曲名もあれば??なものも多々あり。しかも、読みづらいラテン語という事もあってWiki等では日本語対訳とニコニコなどで使われた"通称"が併記されています。今回は、元タイトルや日本語訳、あるいは使用例から、自分なりのタイトルを振ってみようと思います。マミさん並みの厨二パワーですが()参考にでもしていただければ、幸いです。

 Magia(1,16,25,35)、コネクト(2,47)
これらはもちろん、主題歌シングルから。純粋に劇伴のみでという考えもありますが、今回はいわゆる「BGMコレクション」的にTVの再現を試みようという事です。挿入箇所としては、1話冒頭、3ED7ED10話ワルプル戦を想定しています。とはいえ、多すぎる気もしますので、そこはご自由に調整していただければと思います。コネクトは言わずもがなです。

 3.Postmeridie 「軽やかな日常」
直訳すると「午後」ですが、登校描写に使っておいて午後はなかろう()という事で。ロングタイムで演奏すればイージーリスニングにできそうな感じですが、梶浦氏としては珍しいベタにBGM的な曲です。類似例としては「Noir」のパリの街中描写の曲位でしょうか?当該曲はアルバム未収録ですが、そういう意味では音盤化されている事事態珍しいかもしれません。

 4.Puella in somnio 「夢の中で逢った、ような……」
転校してきたほむらにかかる、彼女のテーマ。原則として彼女の不可解な言動のシーンにかかっており、11Aパートラスト抑えていた自分をまどかに吐露するシーンでの使用が心に残ります。梶浦氏は一応、全話のシノプシスを読んだ上で作曲を行ったようですので、この曲と、同じくピアノアレンジの38.Inevitabilisは、最初からほむらのテーマとして作曲されていたと思われ、神秘的かつ哀しさを感じさせる名曲となっています。

 6.Credens justitiam 「マミ~正義を信じて」
元々は"終盤のヒロイックな戦い"(アルティメットまどか用?)を想定した曲だそうですが、鶴岡音響監督の判断で、1話から主にマミさん関連で使われた通称"マミさんのテーマ"。番組全体の流れとして、3話までを上手くミスリードして視聴者を騙したという点でも、この選曲は正解であろう。サントラ未リリースとあって、ニコニコ動画上で様々なアレンジが発表されたのもご承知の通り。梶浦作品の定番的お楽しみとしての当曲の存在は非常に大きい。(因みに梶浦氏としては「舞-HiME」終盤の「潜砂空母スズシロ浮上!」に使われた「聖乙女の祈り」が頭にあったのではないかと思う)3話で使用例が無くなってしまったと思いきや、10話、いきなり魔法少女に変身しているまどか、というシーンでの使用は絶大な効果を上げていた。

 8.Desiderium 「午後のティータイム」
「切望」ってなんだよ?友達欲しいってマミさんが切望してるって?wそれじゃあんまりなので、表題の通り。バレエの練習伴奏のような?シンプルなピアノ曲。系統としては先のPostmeridieと同系統の日常描写系曲だが、これもマミルームでの使用イメージが強くマミさんのテーマその2と言えなくもない?

 9. Sis puella magica! 「魔法少女の祈り」
大体これがかかる時はQBが勧誘をしている時な為に「営業のテーマ」がすっかり定着してしまったが、シャレやネタとしてはともかく、劇伴として語る時にそれは無いだろうという事で、メインテーマらしいタイトルにしてみました。舞-HiMEの「援星」、舞-HiMEの「乙女の子守歌」、Noirの「Canta per me」等と同系統のコーラスをメインとした”典型的梶浦版メインテーマ”。また、これらの曲は、ボーカルのみ、ボーカル抜きでも効果的に使用されているのだが、残念ながらそれらのバージョンが音盤に収録された事は無い。本作でも7話で使用されたボーカル抜きが未収録となっている。分数余ってんだからケチらず入れろよ…。

 10. Scaena felix 「幸せな時間」
“場面”だと、妙に説明的に感じたので”時間”とした。
1話の冒頭、歯磨きしているまどかと詢子のシーンの印象もあるが、まだ平穏なイメージのある2話を締めるイメージでここに選曲した。この曲も含め、まどかの日常平穏描写はピアノやギターなどのソロ曲が多い。”何気ない日々の幸せ”とやがて来る”狂乱に満ちた非日常”を音の表現の上でも大きな落差をつけようとしたものだと思われる。

 14. Venari strigas 「魔弾の舞踏」
「魔女狩り」も悪くないタイトルなのだが、ここはやはりマミさんに敬意を表してDVDチャプタータイトルを使用してみた。チャカチャカとせわしないスピード感は、雑魚の使い魔のイメージか?過去作品とくらべるとマイナー感がより強く感じられ、類似曲はNoirの未収録曲(短いブリッジ的なもの)くらいしか思い浮かばない。最後、音程の下がる女性スキャットが、マミの絶望的な最後に余りにもはまりすぎていた。

 16. Salve, terrae magicae 「ようこそ!魔法の世界へ」
やはり、予告曲としてはEDMagiaにつなげておきたいという事でここに。劇中使用にこだわるなら、2話か10話という事になるが、そこら辺は好みという事になるだろう。

 19. Agmen clientum 「対決」
「使い魔の群れ」だと前出のVenari strigasのイメージなので、ここは5話での劇中使用イメージにしたがい「対決」とした。実際、他の曲と比べても硬質なイメージで、魔の者達というより魔法少女同士の対決を最初から想定した戦闘曲ではないかと思われ、次の6話でも同様の使い方をされている。他には、3話でマミが倒れた後のほむら「こいつを仕留めるのはあたし」で使われているが、何れも「愛と勇気の魔法少女」とは真逆となるシチュエーションでの選曲となっている。

 24. Pugna infinita 「不都合な真実」
QB
がソウルジェムについて語るシーンの曲。劇中イメージでズバリ、なタイトルにしてみた。なかなかはまったと思うのだがいかがだろうか?

 26. Conturbatio 「さやかの困惑」
「混乱」までは至ってないだろう、という事で「困惑」とした。後のDecretumと共にさやかのテーマ的なイメージがあるが、初期はさほどさやかに限定した使い方でなく汎用心理描写曲として使われている。それが、段々さやかのテーマと化していくのは、さやか自身が作品の持つテーマ的な部分を背負い、体現してしまっていたからに他ならないだろう。

 28. Incertus 「杏子~ぎこちない絆」
「半信半疑」ってのもちょっと違うし「うんまい棒のテーマ」は正式タイトルとしてはどうよ?って事で。
杏子の名を冠したが、彼女の固定イメージの曲という訳でもない。途中参加、途中退場の損なところだが、先のAgmen clientumを杏子のテーマとするのも、それはそれでアリかもしれない。

 29. Decretum 「さやか~あたしって、ほんとバカ」
「宿命」でも充分なのだが、やはり「さやかのテーマ」らしくそのものズバリなタイトルにしてみた。
誰よりも正しかった筈なのにそれ故に呪いを背負っていってしまった、そんなさやかの悲哀を十二分に語る、これも本作の名曲の一つ。さんざんな目に遭ったさやかだが、テーマ曲あって良かったね。(そうか?)

30. Terror adhaerens 「絶望の果てに」
使用頻度の高い曲だが、次の曲との流れからここに配置。劇中では、杏子とまどかがさやかを求めて歩きながらの会話シーンに使用された。まど☆マギの鬱部分を代表するような曲。

31. Symposium magarum 「人魚姫の交響楽」
「魔女たちの饗宴」だとワルプルギスのイメージになってしまう、と言ってオクタヴィアとそのままなのも芸がないので、このようなタイトルにしてみた。本作において、唯一の追加録音曲でありオーケストラのイメージを求められる事もあってか、他の曲に比べてやや厚めの編成となっているが、演奏時間は他の曲同様1:46と短い。せっかくの追加録音なのだから3分くらいのロングバージョンにすれば良かったのでは?と思わなくもない。

33. Quamobrem? 「誰がために」
劇中では未使用に終わっているが、10話でのほむらとまどかの会話のイメージでここに配してみた。タイトルは言わずもがな、”九人の戦鬼”から拝借してみた。

34. Numquam vincar 「もう誰にも頼らない」
10
話一度きりの使用にも関わらず、ほむらの悲壮な決意を彩り強烈な印象を残した曲。本編ではかなり短縮編集がなされていたが、実際の曲は2:07と、まど☆マギの曲としては長い方。あくまで推測だが、元々はさやか対杏子のシーン辺りを想定した曲だったのではないか?途中でビートを細かく刻んで疾走感を出している辺り、激しい戦闘シーンを想定していたのではないか?と思うのだが。とはいえ、本編での選曲がベストだったのは言うまでもない。そして、曲名も10話のサブタイトルをおいて他にあるまい。

36. Serena ira 「陰鬱」
これも使用頻度は比較的高いが、さやかの葬式シーンの印象が強いのでここに配置。チェロのソロがやりきれない想いを奏でる、というのは、Noir、舞-HiMEなどでも同様の試みが聴かれる。

38. Inevitabilis 「ほむら~最後に残った道しるべ」
Puella in somnio
のピアノソロバージョンだが、イメージはかなり異なる。報われぬ戦いに心を痩せさせていくほむらの心情がシンプルがゆえに痛い程伝わってくる。タイトルもストレートに11話のサブタイトルとした。

39. Surgam identidem 「災厄の魔女、来る」
遂にワルプルギスの夜が出現する。タイトルも当然…と思ったが、次の曲の原題がずばりそのものなので混乱を避けるため、御覧の通りとなった。黙示録的な破壊シーンとしては、過去舞-HiMEでの「猛る空/揺らぐ大地」があるが、この時は追加録音のためかコーラスは無かった。今回はコーラスも加わって梶浦節全開の破滅描写を存分に堪能できる名曲となった。末尾に”まどかの決意”が付属しているのがやや意外ではある。てっきり次の曲とセットになっていると思ったのだが?

40. Nox Walpurgis 「希望果てる時」
前述した通り、こちらはこのようなタイトルにした。単に絶望というより希望が無くなるという感じの方がより絶望感が出るかな?と。Numquam vincarと同様フルサイズから大幅に短縮して使用されている。前曲の末尾”まどかの決意”と同モチーフだが、より劇的に絶望感の強いアレンジとなっている。本放送時、「わたしのやってきた事は結局…」という、ほむらの台詞とこの曲に泣かされた人も少なくないだろう。私自身もまど☆マギの中では一番好きな曲かもしれない。余談だがBlue-RayDVD版では、MagiaEDに繋がるのだが、個人的にはTV放映のままぶっつり切っていた方が良かった気がする。

41. Sis puella magica! 「魔法少女の祈り」
ダブリになるが、最終話冒頭まどかの宣言を想定してもう一度ここに入れてみた。本作のメインテーマたるこの曲だけに、もう一度流れても良いと思うのだ。

42. Cubiculum album 「新宇宙誕生」
再編された宇宙を目撃するほむらのシーンに流れていたのだが、ほとんど効果音のような曲だったので気づかなかった人も多いのではないか?タイトルは直訳の「白い寝室」は意味不明すぎるので、ヤマトよ永遠にの2曲(「新宇宙」「新銀河誕生」)のタイトルを組み合わせてみた。

43. Sagitta luminis 「わたしの、最高の友達」
直訳の「光の矢」でも良いのだが、ここはやはりこれしかないだろう。劇中イメージにこだわるなら、編集して前曲をサンドイッチする形にするのも有りだろうが、今回はこのような曲順とした。
アルティメットまどかが魔法少女たちを救済するシーンに流れた前半と、ほむらとの別れを彩った後半合わせて5:42の大作である。梶浦作品で最終回クライマックス用の曲が用意されるというのは、意外と珍しい事でもあるのだが、作品その物のスケールを差し引いてもここまで壮大かつ感動的なのは例を見ない。ワンクール分出来上がったシナリオを元に作曲できた、という点が最大の勝因であろう。この曲がここまで素晴らしいものであったればこそ、まどかとほむらの別れのシーンが、いやまどか☆マギカという作品全体が感動的に仕上がったと断言して良い、と自分は思う。

44. Ave Maria 「アヴェ・マリア」
5話でも使用されているが、やはりここに配さない訳には行くまい。他のクラシック曲もそうだが、梶浦劇伴の雰囲気を壊さない非常に親和性の高い選曲であると言えよう。

45. Taenia memoriae 「愛おしい記憶」
土手での達也の落書きからほむらと詢子の会話に流れたピアノソロ。シンプルなピアノソロが、邪魔しない程度にほむらと詢子の心に優しく寄り添い達也の気持ちを代弁する、切なくも美しいこれも名曲。タイトルはつまりそういう事です。

46. Pergo pugnare 「私はひとりじゃない」
そして、ラスト。タイトルはラストテロップから、ある意味この作品の裏テーマではないかという言葉。
まどかの救済の後も、憎しみも哀しみも消えはしない。そんな救いようのない世界。でも、ほむらは一人ではない。そんなラストをストリングスのみで過度に盛り上げず節度を持って、でも優しい(まどかの)まなざしを感じさせながら幕を引いた、という点、梶浦由紀の仕事には脱帽するのみである。

総論としては、久々に全開の梶浦劇伴が堪能できたというところでしょうか。
ここのところ、Kalafina等歌モノの活動がメインとなっており、また劇伴も歴史秘話ヒストリア等シンフォニックな傾向が強くなり、それはそれで良いのですがNoirMADLAX、舞-HiMEといった疾走感やビートもある程度効いた曲から離れ気味だっただけに、今作はその辺の不満を解消してくれました。
願わくばANIPLEXさん、「組曲 魔法少女まどか☆マギカ」として新録音で一枚アルバムを出してくださいな。オクタヴィアやワルプルギスを更に大編成のロングバージョンでとなれば、ファンは飛びつくと思いますよ。市販できなかったサントラの補完という意味でも是非!と思うのですが。

   

追記

iTunesで配信が始まっていました。
「魔法少女まどか☆マギカ2」
https://itunes.apple.com/jp/album/mo-fa-shao-numadoka-magika-2/id575591707

「魔法少女まどか☆マギカ4」
https://itunes.apple.com/jp/album/mo-fa-shao-numadoka-magika-4/id575674580
「魔法少女まどか☆マギカ6」
https://itunes.apple.com/jp/album/mo-fa-shao-numadoka-magika-6-ep/id576314620
ただし、6については、わずか4曲のみ、クライマックスの曲は未収録という、正直どこまでファンを舐めているんだ?としか言えない有様には、本当に怒りを禁じ得ません。
少女まどか☆マギカ 梶浦由記 サントラ サウンドトラック 劇伴 BGM オクタヴィアのテーマ ワルプルギスのテーマ マミさんのテーマ 女神まどかのテーマ

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