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2013.07.13

【フィギュア17】5話「大切な人はいますか」

5話予告
「どこまでも青い空の夏休み。牧場の仕事を手伝う事になったつばさとヒカルは、茨城家の一人娘、さくらの言動に母と娘のあり方を、仕事の大切さを考えさせられる。「お母さんて、あんな感じなのかな?」二人を包んだ夏の日が、駆けるように過ぎていく。」

Fg175

5話「大切な人はいますか」2001年9月30日放映
絵コンテ: 辻初樹、 演出:井硲清高、深沢幸司
作画監督:沢田正人、斉藤英子、藤澤俊幸、佐藤陵、
ゲスト:/加藤優子、

前回、更新から実に2年ぶりになってしまいました。
前話が学校中心だったのに対し、一転、さくらを中心とした茨木家とつばさ、ヒカルとの関わり合いの中で
ストーリーが展開していきます。フィギュア17全話の中でも取り分け丹念な描写がなされていきます。

夏休みの日々を過ごすつばさとヒカル。茨木家では札幌の野外コンサートに行きたいと言うさくらと母京子がもめていた。さくらはコンサートに行く事を条件に夏風邪で倒れた京子の仕事を手伝う事になり、つばさとヒカルも手伝いに名乗りを上げる。
 いきなり高校野球放送のアナウンス、高見沢高校と坂崎商業は言うまでもなくTHE ALFEEのメンバーのお二人から。なかなか粋なお遊びである。
 萌野の景色の点描から、いつもの「きれいな湖」で絵を描いている二人。この作品の美術は「リアルタッチ」では無いが(実写風に言えば)長廻しに耐える「画」を見せてくれる。今回の冒頭は夏の美瑛というある意味一番の見せ所であり、その背景画はいつもにも増して素晴らしい。予告にあった通りの「どこまでも青い空」が良い。
 因みにさくらが行く「札幌の野外コンサート」という事ですが、旭川から札幌までJR函館本線特急スーパーホワイトアローで1時間20分、コンサート会場と駅の距離、旭川から萌野までの距離(40分、汽車は一時間一本程度)を考えると、京子の言い分の方が筋が通っている。最もこの辺の感覚は都会で育った人(特に東京)には解りづらいかも知れないが。
 ダウンした京子に対して皆が話し合っている時、手伝いを提案するのはつばさである。だいぶ積極的になってきたというのもあるが、こういう時に知らんぷりは出来ない子なのだろう。間髪入れずに「ハーイ!」とやるヒカルは相変わらず思い立ったら実行!と、いいカップリングである。六郎は会議の間ひたすらむっつり黙ったまま。

朝が来た。つばさとヒカルの牧場仕事の手伝いが始まった。初めての体験にわくわくしながらも手伝いをこなしていく2人。一方、早くもへとへとなさくらは、朝食の支度を手伝おうと言う祖母凛の言葉につい甘えてしまい、新一に全部1人でやるようたしなめられる。
 リベルスなのに?酷い低血圧っぷりのヒカルが笑える。まぁ、季節的に考えて朝4時台だろうから無理も無いところではある。
 朝の牧場は忙しい。私事で恐縮だが自分の親戚で酪農をやっている家に泊まった事がある。やはり朝からみんな忙しく働いていたのをおぼろげに覚えている。牛の尻を叩いた覚えはないが(^_^;この尻叩きについてはネット上では「そんな事したら牛が暴れる」と異論も出ていたようであるが、飼育環境等によって変わる物なのかも知れない。吠えても牛に無視されるてんまるは何げに役立たずである。「それ、おやっさんから聞いたままじゃねぇか」「うるっせぇなぁ!」のトオルとアツシのやりとりは、何か健太と真二のようだ。しかし、気のせいか3話冒頭の俯瞰の画と比べるとずいぶん広くないか?
 「一人でやるんじゃなかったのか?」新一に問いつめられたさくらの一瞬で横を向いてぶんむくれる表情が何とも。その後、「それって彼氏と行くの?」「良いな~デートか~」と冷やかすトオルとアツシにキレる所といい、ともかくむくれっぱなしのさくら、どうやら彼氏は本当にいないようだ、というか「こんな田舎の男とつきあってもしょうがない」とか言ってるタイプかも?

オルディナは早々に別荘を確保、機材を搬入しマギュアの探索を始めていた。
午後の仕事、牧草ロールの影で休むつばさとヒカルは牛の出産が見られるかもしれないと聞き目を輝かす。だが、さくらの気持ちは憂鬱なままだった。頼まれていた注文書のFAXをうっかり忘れた事を怒られ、ますます気持ちは滅入っていく。一方、データを全て移した事によってD.Dは宇宙船を人知れず処分した。
 オルディナのアジト、もとい別荘に入るのにコンタクトを使うD.D。ちょっと便利すぎる気も?玄関に二重にドアが(防寒の為)付いている辺りはいかにも北海道。
 つばさとヒカル、トオルとアツシがサチの赤ちゃんの話で盛り上がっている横でも、仏頂面のまま「そんな事には関心のない」サクラ。後半との対比となる表情だ。
 常連客のおばちゃんは今回出番のない加藤優子。短い会話だがいばらぎ牧場の状況がよく分る。実際、美瑛近辺は酪農がさほど盛んという訳では無さそうだし。(やはり酪農は十勝、道東方面か)ましてや、この作品が放送されたリアルタイムでは狂牛病=BSE騒動に揺れていただけに、「酪農止めるとこ多いのに」の台詞には余計実感が感じられる事となった。この茨城牧場のように、パンやチーズ等といった酪農からの多角的経営の努力は、実際道内各地でみられる。
 宇宙船を処分するD.D。万感の…とは言わないが少々の寂寥感のこもった表情。
 FAXを送り忘れた事で怒られ、更にむくれモードに入るサクラ。珍しくマギュアが出ないまま後半へ。

一日の仕事を終え、一息つくつばさとヒカル。仕事が多すぎてさくらがかわいそうだと言うヒカルに、英夫は「仕事」というものについて語り聞かす。
 さくらに絡んで「仕事」についてつばさとヒカルに話す英夫。確かに正論なのだが(少々お説教ぽいのは置いとくとして)「フィギュア17」という作品の大きな流れの中では、少々浮いてしまっている気がしないでもない。テーマに繋がる部分としては「みんなが自分のやる事に責任を持ってその上で助け合う」という部分がそうなのか?少なくとも英夫が「嫌々」仕事をしているのではない、というのは見て取れるが。

翌日、更にやる気を失っているさくら。スコップを牛舎に置きっ放しにした事を六郎に咎められ、とうとう仕事を放り出してしまう。
オルディナはエアバイクのカリオン砲の強化改装を終えていた。D.Dは再びリベルスを手にし、来たるべきマギュアとの戦いに備えていた。

 遅れてきたさくらに対して「遅いぞ」と一言だけ言う六郎。短い台詞だがさすがベテラン丸山詠二。渋いの一言では言い表せない味がある。その前にはさくらの言い訳も全く説得力無し。
 出来る女オルディナは早々にエアバイクの改造を済ませるも、「偽装すれば住む事よ」の一言には不安は募るばかりだ(笑)地元民絶賛のペーカリー茨城のパンをそんなもの呼ばわりとは罰あたりめ。やっぱ、宇宙人はサプリみたいなもん食ってんのか?と思ったら後でスーパーヤマモトでパン買ってる辺り、単なるへそ曲がりか?

昼食に来た英夫はつばさとヒカルから、さくらが手伝いを放棄してしまった事を聞かされる。英夫と京子の説得にも耳を貸さず部屋に閉じこもってしまったさくら。
 「やっと一息ついたって感じだなぁ」と新一。店内結構混んでるように見えますが、さっきまでは「釧路ツーリスト」の団体でもっと混んでいたという事か?やはり、北海道は夏がかきいれ時ですからね。オンシーズンで稼がないと。

 ふてくされてヘッドフォンで音楽を聴いているさくらですが…。ここで主題歌のイントロが鳴っているというのはちょっと…、「GLINT BEAT」の他の曲とか使えなかったんでしょうか?
 スーパーヤマモトで小鳥に目を止めるオルディナ、今までが今までだけに「あれっ?」と思わせます。オルディナを語る上では重要なファクターです。

無理を押して台所仕事をしようとする京子だが、再び倒れてしまう。その事を伝えられたさくらは言葉も無かった。京子の事を思いもっと手伝いをしようと話すつばさとヒカル。その時、ヒカルの携帯にD.Dからの連絡が入った。2人は変身して現場へ向かう。
 さくらの有様に無理を押して仕事をしようとする京子。落として散らばったお皿とほうれん草を止めのままPANUPする画面に台詞がオフのまま被さりますが、なまじにつばヒカや凛の表情が写らないだけに効果を上げています。

D.Dとオルディナはエアバイクで摩周湖に到着。苦戦しつつもマギュアの撃退に成功する。フィギュア17が到着した時には全て片はついていた。
 今回の戦場は道東の名勝地摩周湖。しかし、所詮は水中戦専門マギュア、閉鎖された湖で孵化した時点で勝ち目は無し。もし、こいつが釧路湿原に出ていたらそれはそれでやっかいな事になっていただろう。テールを掴まれてマギュアを引っ張りながら逃げるフィギュア
D.Dの画面は、さながらスクリーンプロセスかリアプロジェクションか?といった感じでなかなか良い。そのまま中島にぶつけられたところをオルディナのカリオン砲であっさり爆砕。しかし、国立公園だろうとお構いなしだなおい。
 「あれ、もう終わっちゃったの?」「あぁ、良かった、今日は怖い事無くて…」の二人の台詞に「良くねぇよ!」と突っ込みたくなった視聴者が何人いたかは知らない()まぁ、月一の放送だってのもあるから、こっちの肩すかし感も無くはないんだが…。つばさの台詞からは決して戦いに慣れっこになってしまってない、という気持ちが感じられる。

茨城牧場ではサチの出産が始まっていた。つばさとヒカル、それに母と言葉少なだが会話を交わしたさくらが出産の場に立ち会う。
 そう、今回の山場はむしろこれから。今までと打って変わって優しげにサチに話しかける六郎にまずおやっ?とさせられる。仕事に対して妥協を見せない六郎だが、それは牛たちの為という事が分る。「かれこれ2時間か」という六郎に「獣医さん呼ぼうか?」と言う新一の台詞もリアリティを感じさせてくれる。おばあちゃんはやっぱりここでも「がんばってサチ」と優しい。
 そんな大人達の(気持ちの)中に入っていく
さくら。この時点ではまだ心変わりを示す台詞は出てこない。が、バックに流れる「Innocent Fields!(female chorus ver.1)が何よりも雄弁に語ってくれる。曲が入るタイミングも絶妙だ。心配そうなつばさとヒカル。じっと見据えるさくら。息詰まる緊張感の末「産まれたぞ」の六郎の(嬉しそうな)声に視ている方もホッとさせられるのだ。(この台詞が星空を数秒写した後に出るというのも何と言ったらいいのか、演出の素晴らしさよ)
 サチの産褥を拭く新一の反対側に廻って一緒に拭きながらポツポツと詫び出すさくら。まだ面と向かってごめんなさいとは言いづらい、そんなところも嘘がないと感じさせてくれる細かさ。その口から出る言葉は、今までと正反対の母親との断絶を恐れる少女の姿。「あたしの事嫌いになったかな?」はっとするつばさとヒカル。「そんな訳無いだろう…親子なんだから…。」そしてただ無心に乳を飲むてんてん、というより乳を与え続けているサチ、と言い換えた方が良いかも知れない。親子の愛情、それこそは「無償の愛情」なのだと無言にして雄弁に語る素晴らしい演出だ。今回、この原稿書くに当たって見直していましたが、なんか泣けましたよココ。観るたびにまだまだ新しい発見があります。「フィギュア17」という作品は。
 朝、六郎に素直に謝るさくら。「今日からちゃんとやるから」というさくらに対して六郎も安易に微笑んだりしない、でも「ああ」とだけ短く答えるその声(ベテラン丸山詠二ならでは!)は全て許している…もう、お見事の一言です。

仕事に復帰する京子。謝ろうとするさくらに「分かってくれれば良いよ」とだけ告げる。コンサートは?と問われ「いい、行かない」と微笑むさくら。てんてんにミルクをあげながらヒカルはつぶやく。「お母さんってあんな感じなのかな」
 新一の「初めて合格を貰ったパン」にかぶりつく二人。その台詞が二人を見ているてんてんにオフで被り…と今回、このパターンの演出が多いですがベテラン辻初樹、いい仕事しています。

【キャラクター】
 さくら役が堀江由衣、というのは意外といえば意外なキャスティング。この頃既に主役級ばかり演っていた上、単に「美少女」とは括れないキャラクターである。準レギュラーという扱いも珍しい。が、なかなかの演技力で「中学生日記」風なシチュエーションを演じきっている。個人的には渋さ前回の丸山詠二が嬉しい。(無口すぎて出番これっきりだけど)

 【総論】
母と子、がテーマ。ただし、そこに行くまでは地味な描写の積み重ねなので気付きづらいというのもあるが、ラストのサチの出産シーンから皆に詫びていくさくら、の開放感は下手な戦闘シーン等では得られないカタルシスがある。今回敢えてフィギュア17の戦闘シーンをオミットしたのもその自信があればこそ、であろう。

6話予告
「もうすぐ秋の気配が感じられるようになる新学期。学級委員に推薦されたヒカルと学芸会の主役に困惑するつばさ。そんな二人のまわりで、一喜一憂するクラスメイト達。つばさはつぶやく。「なんでわたしはヒカルちゃんみたいに言えないんだろう」そして、6体目のマギュアとの戦いが始まった。」
「守りたいものはありますか」

バンダイチャンネル フィギュア17 1話無料配信中

 

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